作業着に刺繍を入れるメリット・デメリットは?費用相場も解説!
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刺繍とは?
刺繍とは、手芸の技術の一つで、布地などに糸で装飾を行うことです。また、糸以外にもスパンコールやビーズなどが使用される場合もあります。そして、作業着に刺繍を行う際は、企業名や部署名、社員名を入れるケースが多いです。ホームセンターや衣料品店で購入した作業着に刺繍を施すことで、どこの企業か、どこの作業員かということが一目で分かります。さらに、刺繍を施すことにより、オリジナリティのある作業着になります。本記事では、作業着に刺繍をする際のメリットやデメリット、注意点などについて解説します。
作業着に刺繍を入れるメリット
作業着に刺繍を施すことで様々なメリットがあります。
高級感が出る
刺繍はプリントに比べて立体感や高級感が出るという特徴があります。そのため、仕事への意欲を高める心理的な効果が期待できます。
特に、工業用の刺繍ミシンでは、文字だけではなく、記号やロゴといったデザイン性の高い刺繍も可能です。
つまり、刺繍といっても単に企業名を入れるだけでなく、筆記体や明朝体といった字体を工夫したり、記号やロゴを入れたりすることで高級感が増して上質な作業着に仕上げることができるのです。
プリントと比較して耐久度が高い
刺繍は洗濯に対する耐久性が高いこともメリットです。たとえば、プリント加工された作業着は、何度も洗濯していると剥がれて来たり、色あせてきたりしてしまいます。なぜなら、プリントはアイロンで作業着にのり付けしているだけなので、洗剤や水に弱い性質があるからです。
一方、刺繍であれば、生地に直接縫い付けてあるため繰り返し洗濯しても劣化しません。
アイロンをかけられる
刺繍はアイロンにも強い点が特徴です。刺繍は生地に直接縫い付けてあり、糸で装飾されていることが一般的です。つまり、プリントのようにアイロンをかけても剥がれたり色褪せたりする心配がありません。
作業着に刺繍を入れるデメリット
作業着に刺繍を行うことは様々なメリットがある一方、デメリットも存在します。作業着への刺繍を検討している場合は、デメリットについても理解しておくことが大切です。
細かなデザインは表現が難しい
刺繍は、細かなデザインには対応することが難しいという点がデメリットです。たとえば、企業のロゴが複雑なデザインや、小さすぎるスペースに刺繍しようとするとデザインが潰れてしまうからです。反対に、企業名や名前などのシンプルなデザインは問題ありません。もし、刺繍で細かなデザインの刺繍を依頼したいという場合は、完成イメージについて確認した上で依頼することをおすすめします。
パンチ代がかかる
刺繍にはパンチ代がかかるということもデメリットとして挙げられます。パンチ代とは、刺繍データの作成費用のことであり、依頼するデザインやサイズによってパンチ代が決定します。また、シンプルなデザインの場合はパンチ代が発生しません。たとえば、企業名や社員名だけを刺繍する場合は、パンチ代が不要です。反対に、細かな会社のロゴや特殊なフォントのテキストなど使用する場合はパンチが必要です。
加工にコストがかかる
刺繍はプリントよりも作業に手間がかかります。そのため、プリントよりも納期が長く、コストも高い傾向にあります。
そこで、作業着の刺繍を依頼する際は、納期や予算について考えた上で注文することが大切です。
刺繍に向いているデザイン
作業着へ刺繍を行う際は、刺繍に適したデザインについて理解した上で注文することが重要です。
まず、作業着に刺繍を入れる場合は、アクセントとしてワンポイントだけのデザインの刺繍を入れることをおすすめします。刺繍はワンポイントで入れるだけでも存在感があり、作業着本来の機能を失わずに加工することができます。さらに、小さいサイズの刺繍やネーム刺繍であれば、コストを抑えることに繋がります。
一方、背中に大きなロゴを入れるデザインもおすすめです。背中に大きくロゴを入れることで、自社の従業員と他社の社員を見分けやすくなるメリットがあるからです。複数の業者が立ち入る大規模な建設現場などでは、遠くからでも見分けがつくよう背中に大きなロゴを入れるのがおすすめです。
ワッペンとの違いは?
刺繍とワッペンは、手芸を行う際の加工の技術ですが、それぞれ特徴が異なります。まず、刺繍は布地などに糸で装飾を施す手芸の技術のことです。さらに、刺繍は糸の他にもスパンコールやビーズ、真珠などが用いられる場合もあります。そして、刺繍は手作業によるものと機械で加工されるものがありますが、手刺繍は非常に手がかかるため、最近ではほとんどが機械刺繍によって作業されています。
一方、ワッペンはジャケットやブレザーの胸や腕、帽子などに施す模様を縫い付けた飾りのことです。
刺繍の費用を安く抑える方法は?
スペースを小さくする
刺繍の費用には加工するスペースが大きく関係しています。一般的に大きい刺繍になるほど費用が高額になります。つまり、刺繍するスペースを小さくすることで、費用を抑えることが可能です。たとえば、胸や袖に小さく刺繍加工をする場合は、1000円以内が一般的な費用の相場です。反対に、作業着の背中に20センチ程度の大きな刺繍加工を施す場合は、2.000円〜4,000円程度が費用の相場となっています。さらに、大きな刺繍の場合はパンチ代が発生することも多く、パンチ代は2万円〜3万円が相場となっています。
※面積やデザイン、刺繍を入れる場所などによって費用が大きく変わることがあります。
パンチ代がかからないデザインにする
個人名や会社名など、簡単なデザインの刺繍にはパンチ代が発生しないため、刺繍費用のみの費用となります。さらに、書体やカラーに特にこだわりがない場合は、スタンダードな種類のものを選択することをおすすめします。特殊なカラーや書体、複数のカラーを混ぜるといった場合は、オプションとして費用がかかる場合があります。
作業着の刺繍をとる方法
刺繍は生地にしっかりと縫い付けられているため簡単に取ることはできません。しかし、ポイントを抑えて作業することで綺麗に刺繍を取ることが可能です。
必要な道具
まず、刺繍を外すために必要な道具は、リッパー・毛抜き・はさみの3つです。
リッパーは、先端が「J」のような形状をしており、糸の間にくぐらせて糸を切るために使用します。
次に毛抜きは、切れた糸を抜くために使用します。
毛抜きを使用せずに切った糸を生地から指でつまんで引っ張ることも出来ますが、細かな作業であるため毛抜きでつまんだ方が便利です。
最後にはさみは、浮いて出た糸をまとめて切るために使用します。はさみは糸が切れればどのような形状のものでも問題ありませんが、糸切りばさみは細かな作業に適しているためおすすめです。
裏側から糸を切る
まず、作業着の裏側から糸を切ります。刺繍の裏側の糸の縫い目にリッパーを入れ、糸を切ります。リッパーを使用する際は、リッパーを横に向けて差し込むことがポイントです。
また、縫い目が固い部分に対して、勢いに任せてリッパーを差し込むと、生地を傷つけてしまう恐れがあるから為注意が必要です。縫い目が固い部分があっても、糸だけを引っ掛けるように慎重に作業を行います。
表面の糸を切る
裏側の糸が切り終わったら、表面の糸をリッパーで切ります。表面の糸を切る際も、裏面と同じようにリッパーを横に向けて差し込むことがポイントです。
また、裏面の糸が切れているため、刺繍全体の糸が緩んでいる状態となっています。そして、裏面の糸が切った後に表面を見ると、糸が緩んで表面の縫い目が見えにくくなっています。そのため、表面の糸を切る作業を行う際は、生地を傷つけないよう縫い目を確認しながら作業することが大切です。
毛抜きやハサミで表面をきれいにする
裏面と表面の糸が切り終わったら、毛抜きやハサミで表面をきれいにする作業を行います。具体的には、切れた糸を毛抜きで取り除き、糸が大きく出ている部分はハサミでカットします。毛抜きを使用する際は、生地を傷めないように糸だけを引っ張ることがポイントです。
はさみで糸を切る際も、生地を切らないよう注意してください。
また、一度の作業で全ての刺繍を綺麗に取り除くことはできないので、工程を繰り返しながら根気よく作業することで、綺麗に刺繍を取ることが可能です。
まとめ
作業着に刺繍を入れることで、オリジナリティや高級感のある作業着を完成させることができます。さらに、刺繍は洗濯やアイロンへの耐久性が高いため、状態を維持しながら繰り返し使用できるなど様々なメリットがあります。
しかし、プリントよりも費用が高くなりがちな点や細かすぎるデザインには向いていない点には注意が必要です。
どのような目的でどのようなデザインをしたいかということを考えた上で、作業着に刺繍を施すことが大切です。