【作業服で選ぶ】綿とポリエステルはどちらが向いている?生地ごとのメリットやデメリットをご紹介

2022.04.28
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作業着は普段着とは異なり、デザイン性よりも現場作業に適しているかどうかを考えて選ばなければなりません。

そこで、生地の耐久性や通気性、耐水性をといった機能面をチェックしていると、そもそも生地に使用されている素材が気になってくるのではないでしょうか。

作業着の代表的な素材に「綿」と「ポリエステル」がありますが、結局どちらがいいのか迷うところでしょう。また、両方の素材が配合されている生地は、割合によって質感が変わります。

そこで今回は、綿とポリエステルのメリット・デメリットを解説します。

作業服の素材の大半は綿とポリエステル

作業着に使用されている素材のほとんどは、綿またはポリエステルです。

綿100%、ポリエステル100%といった一つの素材でできている生地もあれば、両方の素材を配合したものも多くあります。

なお、素材を混合させた生地の場合、配合率によって生地の質感や特徴が変わります。

ポリエステルのメリット

ポリエステルは石油由来の合成繊維の一つで、合成繊維の中ではナイロンに並ぶ代表的な素材です。

速乾性がある

ポリエステルを使用した生地の特徴は、吸水性・速乾性に優れていることです。洗濯したら他の素材の製品よりも早く乾く印象があるのではないでしょうか。

速乾性があるため、スポーツウェアやインナーなど、汗をかくシーンに着用する素材として使われることが多いです。

洗濯を繰り返しても劣化しにくい

ポリエステルの繊維は丈夫で水に強いのが特徴です。洗濯を繰り返しても型崩れしにくく、生地が傷みにくいので衣服が長持ちします。

そのため、ポリエステルは形状記憶シャツなどにも使用されているケースが多い素材です。

軽量感がある

天然素材と比較して、素材の重量が軽いのもポリエステルのメリットです。軽い着心地
があり、速乾性にも優れているため、作業着が濡れても軽さを維持できます。

ポリエステルのデメリット

速乾性や生地の耐久性に優れているポリエステルですが、デメリットも存在します。

火や熱に弱い

ポリエステルは繊維の温度が70℃前後になると、繊維の分子がほどけて軟化する特性があります。

そのため、ポリエステル素材を使用した衣類で火を扱うと、生地が溶けてしまう危険性があります。作業現場で火を使う場合は、天然素材の生地を選びましょう。

静電気が起こりやすい

生地の摩擦や乾燥によって静電気が発生しやすいのもポリエステルのデメリットです。

冬の防寒着でポリエステルを含む場合、帯電防止加工が施されているかを確認しましょう。

綿のメリット

身近な天然素材といえば、綿(コットン)をイメージする方がほとんどでしょう。綿にはポリエステルとは異なるメリットがあります。

熱や火に強い

綿の特徴といえば、火や熱に強いことが挙げられます。

ミトンや鍋敷としても利用されているのを想像すると分かりやすいのではないでしょうか。

火を扱う現場でもきちんと体を保護してくれます。

吸水性や吸湿性に優れている

ほとんどのタオルに綿が使われていることから分かるように、綿は吸水性や吸湿性に優れています。

そのため、作業中に汗をかいても綿が効率よく吸収し、汗のべたつきによる不快感を軽減してくれます。

肌触りがいい

天然素材である綿は、やさしい肌触りが特徴です。綿素材の衣服を着用した際、着心地の良さを感じる方も多いのではないでしょうか。

作業着を長時間着用する場合は、着心地の良さもメリットとなるでしょう。

綿のデメリット

熱に強く、吸水性や吸湿性に優れている綿ですが、デメリットも存在します。

乾きづらい

ポリエステルと比較すると、綿は乾きにくい傾向にあります。毎日着用する作業着は、なかなか乾かないとなるとストレスになるでしょう。

湿度の高くなる梅雨時期は特に乾きにくくなってしまいます。

縮みやすくシワになりやすい

綿は素材の特性上、吸湿性に優れていますが、高い吸湿性によって発生してしまうデメリットもあります。

綿は水を含むといったん繊維が肥大し、乾燥時に元の状態に戻ろうとして縮んでしまうのです。生地が縮むと当然、シワも発生します。

洗濯ものを干す際に伸ばす、アイロンをかけるといった対策方法がありますが、手間に感じる方も少なくないでしょう。

毛羽立ちやすい

綿は毛羽立ちやすいのもデメリットの一つです。毛羽立ちとは、生地の表面に摩擦が生じることで、毛が立ち上がっている状態を指します。毛羽立ちを放置していると、立ち上がった繊維同士が絡み合って毛玉になります。

毛羽立ちすると見た目が悪くなってしまうため、摩擦を防ぐために裏返して洗濯ネットに入れる、ブラッシングするなどの対策がおすすめです。

作業服の黄金比率素材「混紡繊維(T/C)」

通常の衣服なら、素材のデメリットがあっても、たいして気にすることなく着られるかもしれません。

しかし、作業着は仕事着であり、耐久性や快適性、手入れのしやすさなどを兼ね備えたハイスペックな素材が必要です。作業着に何らかのデメリットがあると、作業効率の低下や怪我・事故の原因になりかねません。

ポリエステルと綿にはそれぞれメリット・デメリットが存在し、単一素材で作られた作業着にはどうしてもデメリットが生じてしまうといえます。

そこで、綿とポリエステルを配合し、作業着として最適な素材に仕上げているのが「混紡繊維(T/C)」です。
「混紡繊維(T/C)」の配合率にはさまざまなパターンがありますが、作業着の黄金比率と呼ばれているのが「ポリエステル65%、綿35%」の割合で配合された生地です。

「ポリエステル65%、綿35%」の割合でできた生地は綿の肌触りの良さは残しつつ、ポリエステルの耐久性や形状安定性なども兼ね備えています。

ただし、何かの機能が突出して優れているのではなく、全体のバランスが良い、平均点の高い素材としてイメージすると良いでしょう。

まとめ

綿、ポリエステルは素材の性質が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

作業服に使われる生地の種類にはさまざまなものがありますが、生地ごとに機能や特徴が異なります。

職種や季節によって必要になる機能も異なるため、作業服選びの際は、どんな目的と用途で着用するのかを明確にしましょう。

また、素材選びに迷ってしまう場合は、作業着の黄金比率素材と呼ばれている「混紡繊維(T/C)」を検討してみるのがおすすめです。

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