熱中症対策に向いている飲み物は?炎天下の作業に大切な栄養素や注意点についても解説
熱中症対策に向いている飲み物は?炎天下の作業に大切な栄養素や注意点についても解説
熱中症対策には水分補給が重要というのは誰しも知っていることでしょう。
しかし、飲み物であればなんでも熱中症対策になるというわけではなく、飲み物の種類によっては症状を悪化させてしまう危険性があります。
そこで今回は、熱中症対策に適した飲み物、適さない飲み物を紹介していきます。
また、炎天下の現場作業で積極的に補給すべき栄養素についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
作業者が熱中症対策時に補給したい栄養素
熱中症を予防するためには、こまめな水分補給が重要ですが、汗によって失われてしまう栄養素を中心に補給するのが大切です。
熱中症対策に必要なのは「電解質(ミネラル・ナトリウム・カリウム)」「クエン酸」「ビタミンB」の5つの栄養素です。
水を飲むだけでは摂取できないため、食事やスポーツドリンク、タブレットなどを活用して積極的に栄養を補給しましょう。
電解質(ミネラル・ナトリウム・カリウム)
汗をかくと、水分のほかに電解質が失われていきます。
電解質とは、水に溶けると電気を通す物質のことを指し、体の中では筋肉や神経細胞の働きに関わる需要な役割を担っているのです。
電解質は5大栄養素のミネラルに属す「ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム・リン」などがあります。
電解質は体内で生成できないため、食べ物や飲み物から摂取しなければなりません。
クエン酸
クエン酸は酸味成分の一つで、疲労回復、血糖値の上昇を抑える、胃腸の働きを助ける、食欲増進、下痢・便秘の防止などの効果・効能を期待できます。
とくに疲労の原因となる「乳酸」の発生を抑えられるため、現場作業で体を酷使する方に欠かせない栄養素なのです。
さらに、クエン酸には胃腸の働きを助ける効果もあるため、夏バテで食欲不振になっている際にもプラスの効果をもたらすでしょう。
ビタミンB
ビタミンBは、糖分をエネルギーに変換するのに必要な栄養素です。
夏は食べやすい麺類やアイス、ジュース、ビールの摂取量が増える季節です。これらの食べ物や飲み物には多くの糖質が含まれています。
ビタミンB1が不足すると摂取した糖分をエネルギーに変換できず、「乳酸」などの疲労物質として体内に蓄積されてしまいます。
「3食きちんと食べているはずなのに疲労感が取れない」という場合は、摂取している糖分に対してビタミンB不足が考えられます。食事の内容を見直してみましょう。
飲み物100mlあたりの食塩相当量
汗をかくと水分だけでなく、体内からカリウムやナトリウムなども失われてしまいます。
そのため、汗をかいたら水だけを飲むのではなく、失った栄養を補給しなければなりません。
厚生労働省では、熱中症対策として100mlあたり0.1~0.2g以上の食塩相当量がある飲み物を摂取するよう推奨しています。
たとえば、ポカリスエットの100mlあたりの食塩相当量は0.12g、経口補水液の100mlあたりの食塩相当量は0.292gとなっています。
現場作業スタッフの熱中症対策に適した飲み物
ここでは、現場スタッフにおすすめの熱中症対策飲料を紹介していきます。
自販機でも気軽に入手できる「水や麦茶」
最も簡単に入手できる存在としておすすめなのが、「水や麦茶」です。
飲み物の準備を忘れて現場に向かってしまった、家にスポーツ飲料がないという場合でも水やお茶なら簡単に手に入るでしょう。
お茶の中でもとくにおすすめなのが、麦茶やルイボスティーです。ノンカフェインでミネラルが含まれているため栄養補給にもなります。
運動して汗をかいたときには「スポーツドリンク」
水分と塩分を効率よく摂取できるのは「スポーツドリンク」です。
作業量の多い現場や、大量に汗をかくことが想定される場合は、スポーツドリンクを飲んで熱中症対策をしましょう。
ただし、スポーツドリンクは高カロリーで糖質も多く含まれています。飲みすぎるとカロリーオーバー、糖分・塩分過多になってしまうので注意しましょう。
炎天下での現場作業者向け「エナジードリンク」
「エナジードリンク」にはさまざまな栄養が含まれており、効率よく栄養を摂取したい場合におすすめです。
炎天下で体に大きな負荷がかかる、長時間・重労働をしなければならないという方にピッタリです。
栄養ドリンクには塩分のほか、糖分やビタミンなどが多く含まれており、疲労回復になるでしょう。
摂取しすぎると体調不良になることもあるため、体を酷使した日など栄養が必要な場合を判断して飲みましょう。
また、カフェインを多く含むエナジードリンクは注意が必要です。
熱中症に最適「経口補水液」
めまいや頭痛、吐き気など熱中症が疑われる場合は「経口補水液」を飲みましょう。
経口補水液には多くの塩分が含まれていることに加え、ブドウ糖も含まれています。
一般的なスポーツドリンクよりも栄養の吸収が早くなるよう設計されており、熱中症時に最適です。
ただし、経口補水液には多くの塩分・糖分が含まれているため、大量摂取するのには不向きです。塩分・糖分過多になり、体調不良になる可能性があります。
現場作業中でも気軽に水分・栄養補給したいときには
現場作業スタッフの熱中症対策として、粉末のスポーツドリンクやタブレットを活用するのもおすすめです。
粉状タイプのスポーツドリンク
粉末タイプのスポーツドリンクを活用すれば、重い飲み物を持ち歩く必要がなくなります。
必要なときに水を購入し、粉末を溶かせばいつでもスポーツドリンクを摂取できます。
持参した水分がなくなった場合の緊急用としてカバンに入れておくのもよいでしょう。
飴やタブレット
熱中症対策用の飴やタブレットも多くの製品が発売されています。
現場作業中のおやつや、気軽に栄養補給できるアイテムとして持ち歩いておくのがおすすめです。
また、軽いため持ち運ぶ際にもストレスを感じないのが魅力でしょう。
熱中症対策に適さない飲み物
スポーツドリンクや水、お茶は熱中症対策に適した飲み物だといえるでしょう。
しかし、飲み物の中には熱中症の悪化を招くものもあります。
ここでは、熱中症対策におすすめしない飲み物を紹介します。
カフェインを多く含む飲み物
カフェインには利尿作用があります。
ただでさえ現場作業は多くの汗をかくのに、利尿作用が促進されてしまうと脱水症状になる可能性があります。
作業中にカフェインの含まれているコーヒーや紅茶、緑茶などを過剰摂取するのは避けるようにしましょう。
糖分を多く含む飲み物
栄養補給ができそうなジュースや炭酸飲料も熱中症対策には適さない飲み物です。
ジュースや炭酸飲料には多くの糖分が含まれており、糖分の多い飲み物は水分の吸収が遅くなってしまうのです。
また、糖分過多になると急性の糖尿病になる可能性があります。熱中症対策として大量に摂取する場合には不向きな飲みものです。
アルコール飲料
アルコール飲料もカフェインと同様に利尿作用を促進します。
お酒を飲むと翌朝喉が渇くのは、利尿作用によって体内の水分が失われ、脱水症状になっているのが原因です。
現場作業中に脱水症状を引き起こさないようにするためにも、お酒は飲まないようにしましょう。
牛乳
たんぱく質や脂質、炭水化物、カルシウム、ビタミンなどが含まれている牛乳は、栄養価の高い飲み物です。牛乳は体を強くしたり、筋力アップしたりする場合にも効果的とされています。
しかし、牛乳は体温上昇・発汗を促す作用があります。熱中症対策を目的とする水分補給で飲むのは不向きでしょう。
ただし、牛乳には多くの栄養が含まれているため、起床時や運動後や運動前などに摂取するのはおすすめです。
熱中症にならないための水分補給方法
熱中症対策に効果的な飲み物を摂取する際、適切な量や水分補給のタイミングを知っておくことが大切です。
ここでは、熱中症にならないための水分補給方法ついて解説します。
水分摂取量は1日あたり1,500~2,000
人の体からは、尿や汗によって多くの水分が失われており、1日平均1,200mlの水分が排出されています。
現場作業で汗をかく場合は、1,200mlより多くの水分が失われているでしょう。
そこで、体から失われた水分を補給するのに1日1,500~2,000mlは水分を摂取しなければなりません。
意外かもしれませんが、睡眠中は多くの水分が失われています。就寝前・起床後にコップ一杯の水を飲むのも体調管理におすすめです。
水分補給はこまめに取る
1日1,500~2,000mlの水分を摂取しなければなりませんが、1度にまとめて摂取するのは間違った水分補給の方法だといえます。
のどが乾いたら一気に水分を摂りたくなりますが、一度に大量の水分を摂取しても体内で吸収されずに排出されてしまうのです。
つまり、熱中症対策ではのどの渇きを感じる前に、こまめに水分を補給するのがポイントです。
炎天下の作業でも!飲み物以外の熱中症対策
熱中症対策では、こまめな水分補給に加え、服装を工夫するのも対策になります。
ここでは、炎天下の作業で熱中症対策になる服装を紹介します。
「ファン付きウェア」で暑さ軽減
Z-DRAGON 74070 空調服™ 6097 ベスト
空調服はファンによって外気を取り込み、衣服内で空気を循環、首元や袖から排出させることで涼しさを保つ衣服です。
Z-DRAGON 74070 空調服™ 6097 ベストは、ベストタイプの空調服で風量が4段階に調節できます。
ベストタイプのため、作業中でも腕回りがすっきりして快適に着こなせるでしょう。
無地やカモフラ柄のデザインがあり、コンプレッションウェアの上から着用するのもおすすめ。
作業着に限らず、アウトドア用や普段着用としても着られるのが魅力でしょう。
手軽さで選ぶなら「高機能インナー」
自重堂 Jawin 56144 ロングスリーブ クールインナー 接触冷感
手軽に熱中症対策をするなら、高機能インナーであるコンプレッションウェアを着用するのがおすすめです。
コンプレッションウェアは空調服よりもリーズナブルなものが多く、気軽に熱中症対策ができます。
コンプレッションウェアは、ほどよいフィット感のある生地が筋肉の動きをサポートする、高強度な運動による体への負荷を軽減できる衣服です。
自重堂 56144 ロングスリーブは総メッシュになっていて通気性が抜群。
汗による不快感を軽減しながら、体にかかる負荷を軽減してくれます。
マスク着用時の対策にも注意
コロナ渦になってマスクが習慣化されており、炎天下の作業時でもマスク着用が基本となっているのが現状です。
マスクを着用すると感染症リスクは軽減できますが、反対に熱中症のリスクが高まります。
息苦しさやしんどさを感じたら、人との間隔をとって適宜マスクを外しましょう。
マスク着用での屋外作業の熱中症対策としては、冷感マスクや、立体マスクを使用するといった対策があります。
マスクそのものを工夫することの他、小型扇風機を使う、タオルで体を冷やすなどの方法もあるため、積極的に熱中症対策をしましょう。
まとめ
今回は熱中症対策におすすめの飲み物や、炎天下の作業時に不足しがちな栄養素について紹介しました。
熱中症対策にはこまめな水分補給が重要ですが、飲み物であれば何でもよいというわけではありません。
水やお茶、スポーツ飲料などを状況に応じて使いわけましょう。
夏の屋外作業は誰でも熱中症になるリスクがあると考え、積極的に対策をするのが重要です。