ゴアテックスは寿命が短い?耐久性や長く着用しつづけるためのポイント紹介

2022.11.07
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ゴアテックスは寿命が短い?耐久性や長く着用しつづけるためのポイント紹介

ゴアテックスが高性能な防寒着であることはよく知られていますが、他の防寒着に比べると高額なので、どのくらい寿命が持つのか気になる方も多いでしょう。

しかし、ゴアテックスには基本的に寿命はなく丈夫といわれています。
そこで今回は、ゴアテックスなぜ丈夫といわれるのか、実際に寿命があるのかなどを解説したうえで、少しでも長持ちさせるための方法もご紹介します。

ゴアテックスは丈夫な素材

「GORE-TEX(ゴアテックス)」とは、アメリカの「WLゴア&アソシエイツ社」が製造・販売を手掛けている素材のことを指します。

ゴアテックスはもともとテント用の素材として、1967年に商品化されました。その後、アウターや靴をはじめ、アウトドア用品や作業着、レインウェアなど幅広い分野で用いられるようになったのですが、これほど注目を集めたのは、「防水透湿機能」を持っていたからです。防水透湿機能とは、文字通り、水は通さず、湿気は通す機能を同時に発揮できる素材のことですが、この二つの機能を兼ね備えた素材が画期的だったのです。

というのも、ゴアテックスが商品化される1967年以前は、防水機能を持つ衣服には「ゴム素材」を使用するのが一般的でした。しかし、ゴム素材には透湿機能がないため、動き続けていると汗でムレてしまいます。ただ、透湿機能を持つ素材を使用すると、反対に防水機能を失い、雨が降った時に衣服の中に雨水が浸透して体温の低下につながってしまいます。

そのため、この二つの機能を兼ね備えたゴアテックスが登場したことで、

ゴアテックスの構造

ゴアテックスが「防水性」と「透湿性」の機能を両立できるのは、「ゴアテックス(R)メンブレン」という素材を表生地と裏生地の間に挟んでいるからです。

通常、アウターは表生地と裏生地を縫い合わせて製造されますが、その表生地と裏生地の間にゴアテックス(R)メンブレンを挟み込み、三構造にしたものを「ゴアテックス(R)ファブリクス」と呼びます。

また、ゴアテックス(R)メンブレンを拡大して見てみると、網目状になっているのがポイントです。この網目の大きさがポイントとなっており、「水は通さず(防水機能)、水蒸気は通す(透湿機能)」ようになっているのです。

ここで気になるのが、「水蒸気は通す」という点でしょう。たとえば、湿度が80%を超えるような天候になったときに、外の水蒸気が衣服の中に侵入するのではないかと不安に感じるかもしれません。

しかし、水蒸気は暖かく湿ったところから、冷たく乾いたところに移動する性質があります。アウターを着用するシーンでは、外気よりアウターの方が暖かく湿っている状況を想定するため、たとえ湿度が高くなったとしても、外の水蒸気が入り込んでくることはないのです。

ゴアッテクスの寿命は最短何年?

ゴアテックスに寿命という概念はありません。ゴアテックスは何度使用しても経年劣化がほとんど起きないので、長く使用できます。

ただし、これは日ごろのお手入れをきちんと行い、想定している用途で使用した場合です。

たとえば、ゴアテックスを使用したアウターの表生地には、水を弾く「撥水加工」を施していますが、撥水性が失われてしまうとゴアテックスの機能を十分に発揮できなくなります。

つまり、長くゴアテックスを使うなら、使用用途を守り、きちんと手入れをすることが大切なのです。

ゴアテックスの寿命の見極めポイントは?

ゴアッテクスは寿命による劣化を感じにくい生地ですが、ゴアテックスのアウターなどで使用されているパーツの劣化によって寿命が来たと感じることはあるでしょう。
その中でも劣化する可能性が高い部分としてあげられるのが、「シームテープの剥がれ」です。

シームテープとは、防寒着や防水ウエアでよく使用されているテープのことで、衣服の縫い目から雨や風が侵入されないように縫い目の上から貼るテープのことです。

そのシームテープが劣化して割れたり剥がれたりすると、防水・防風機能が落ちてしまいます。そのため、ゴアテックスの寿命を見極めるときは、シームテープが剥がれていないか確認してみましょう。

またゴアテックスは、常に改良されているため、10年前の製品と比較すると着心地や機能が向上しています。そのため、一定年数使用したら、買い替えを検討するのがおすすめです。

ゴアテックスの寿命を延ばす秘訣

せっかくゴアテックスを購入するなら、長く使用したいものです。

ゴアテックスは正しいお手入れをすれば寿命を長くできるので、方法を確認していきましょう。

着用後はすぐハンガーに吊るす

ゴアテックスを使用したら、すぐにハンガーに吊るしましょう。

屋外での着用が想定されるゴアテックスは、ホコリやチリ、煙、食べこぼしなど知らないうちに多くの汚れが付着しています。あまり汚れていないように見えても、たくさんの汚れが付いているのです。

汚れが付いたまま放置していると表生地の撥水性が失われるので、着用後はすぐに吊るして汚れを落としておきしましょう。

洗濯表示を守って洗う

ゴアテックスは値段が高いこともあって、特別なお手入れが必要と考えている方も多いでしょう。

しかし、家庭用洗濯機で丸洗いでき、むしろこまめに洗濯する方が寿命を延ばせます。

ゴアテックスに汚れが付着したままにしていると機能が低下する要因になるので、積極的に洗濯してよいのです。ただし、洗濯表示を確認して、正しく洗濯することが大切です。

【正しい洗濯方法】

  1. ファスナー、ベルクロをすべて閉める。
  2. 洗濯ネットに入れる。
  3. 柔軟剤・漂白剤が入っていない洗剤を使用し、家庭用洗濯機で洗う。(洗剤の洗い残しがないよう、すすぎは通常の2倍行うのがポイント)
  4. 洗濯後、ハンガーに吊るして陰干しする

ゴアテックスの表面に使用されているナイロン生地は熱に弱いので、直射日光に当てるのはNG行動にあたります。紫外線や熱で生地が傷んだり、変色する原因になります。

また、湿気の多い場所に干すのもやめましょう。湿気は表生地とゴアテックス(R)メンブレンの接着性を悪くしたり、カビを発生させたりする可能性があります。

そのため、ゴアテックスは日陰で風通しのよいところに干すのがポイントです。

アイロンは低温でかける

表生地の撥水性が落ちてきたと感じたら、乾燥後に熱処理をしましょう。

アイロンを使用する場合、低温でスチームなしの設定でアイロンがけをします。その際、必ず当て布をしましょう。当て布を使用しなかったり、アイロンが高温すぎると、生地を痛めてしまいます。

また、乾燥機を使用して熱処理をする方法もあります。その場合は、ゴアテックスを乾燥機に入れて20分ほど乾燥させます。時間が短すぎると撥水機能が回復せず、反対に時間が長すぎると生地が傷んでしまうので、時間を守って行いましょう。

撥水材をかける

熱処理をしても撥水機能が回復しないと感じたら、撥水剤をかけるのがおすすめです。

撥水剤にもさまざまな種類がありますが、「防水透湿ウエア用」と記載されている製品であれば、市販品でも問題ありません。

化学繊維をゴアテックスの下に着用する

ゴアテックスと相性がよいのは「化学繊維」の衣服です。化学繊維は吸水速乾性があるので、作業中に汗をかいたら素早く吸収し、素早く乾燥させてくれます。

そして、ゴアテックスは水蒸気を通す性質を持っているので、化学繊維と組み合わせることで常にサラッとした着心地を維持できるのです。

ゴアテックスの耐久性が落ちたと感じたら買い替えを検討しよう!

使用しているゴアテックスのシームテープが剥がれていたり、長年使用していたりして買い替えを検討している方も多いでしょう。

ここでは、おすすめのゴアテックス製品を紹介します。

タイトなシルエットが魅力的な防風透湿ゴアストッパー

旭蝶繊維の51027 GORE®ソフトシェルジャケットは、防風に特化しているのが特徴のひとつです。そのため、寒い外気を通しにくく、体温は逃がさない仕様になっています。さらに透湿性があるので、汗をかいてもムレを感じることがない、ハイテクジャケットとなっています。

また、細身のデザインを採用しているので、春や秋の肌寒い季節は厚手のアウターとして、寒い季節にはインナーとして着用できる万能アイテムです。

旭蝶繊維 51027 ORE®ソフトシェルジャケットASAHICHO[18AW]

旭蝶繊維 51027 ORE®ソフトシェルジャケットASAHICHO[18AW]

3WAYのハイスペック ゴアテックス防寒コート

旭蝶繊維の51023 ゴアテックス+アウトラスト3WAY防寒コートは、3つの着方を選べるのが特徴です。

アウターとインナーが取り外せる使用になっているので、アウターとインナーを重ねて防寒着として着用したり、アウターだけでウインドブレーカーやレインウェアのように着たり、さらにはインナーだけで着用したりする方法があります。

作業内容や温度環境に合わせて自由に温度調整ができるのは、魅力的なポイントです。

また、すべての縫製部分にシームテープが貼ってあるので、縫い目から風や水が浸入しません。見た目はシンプルですっきりとしたデザインとなっており、作業着はもちろん、普段着としても着用可能です。

旭蝶繊維 51023 ゴアテックス+アウトラスト 3WAY防寒コート

旭蝶繊維 51023 ゴアテックス+アウトラスト 3WAY防寒コート

まとめ

ゴアテックスは、「防水透湿機能」を持っている高性能な防寒着であり、寿命という概念はありません。

そのため、一般的な防寒着と比較すると価格は高価になる傾向がありますが、その分長く着られる製品といえるでしょう。

しかし、撥水性やシームテープなど使用されているパーツの劣化は起こる可能性があります。長く使用するためには、日ごろのお洗濯やメンテナンスなど、正しいお手入れをすることが重要です。

お手持ちのゴアテックスを長く愛用するために、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

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